嘘と、恋。
「そんな食べてた?
けど、まりあちゃん細いから、食が細いのかもね。
もうちょっと太った方がいいよ。
明日は、お肉でも食べに行こうか?」
確かに、私は平均よりもかなり痩せている部類だと思う。
胸もぺったんこで。
「康生さんは、もうちょっと肉付きいい方がいいですか?
だから、しないのかな?って」
「えええ?
何?
え、もしかして、そういう意味?」
その私の質問に本当に驚いているのか。
先程迄眠そうだった康生さんの目は、今はしっかりと開いている。
「だって、男の人とこうやって眠るって。
絶対そういう事するもんだって、セイ君も」
だから、私がセイ君の家に居る限り、
好きな時にヤらせろ、って言われている。
「セイ君…。ああ、まりあちゃんの彼ね。
んー、セイ君が何歳か知らないけど。
俺はまりあちゃんからしたら、けっこうおっさんで。
流石にまりあちゃんみたいに若い子に手を出そうとは思わないよ」
やはり康生さんは、けっこう私より年上なのだろうか?
「康生さんがいくつかは知らないですけど。
でも、私、康生さんより年上だと思うような男の人と、した事ありますよ?」
その男の人は、何の躊躇いもなく私に触れていた。
「え?
最近の若い子って、怖いねぇ。
まりあちゃんがそんな子で、おじさんちょっとショックかな」
そうクククッと笑っているから、本気でショックなわけではないのだろうけど。
「康生さん、いくつなんですか?
おじさんじゃないでしょ?」
自分でおじさんとか、ちょっと自虐的に言ってるけど。
「いやー、まりあちゃんの倍くらい違うんじゃない?」
「いやいや。倍って、それは絶対にないでしょ」
倍はないにしろ、一回りくらいは違うのかな?
「まだ暗いし、まりあちゃん寝なさい。
俺も、寝る」
康生さんはそう言って、すぐに寝息を立てていた。
私もその寝息を聴きながら、眠りについた。