嘘と、恋。
「あ、今、気付いたんですけど、セイ君もそうだけど。
あのナガクラさんも、私が人を殺してるのを知ってる…」
もし、あの人達が警察に余計な事を話したら…。
こうやって、私の死で色々偽装しても、無駄じゃないだろうか?
「永倉に関しては、心配しなくてもいいよ。
わざわざ、そんな事を警察に言うような奴じゃない。
まー、でも、永倉はこの先俺がちゃんと消しとくから。
その、セイ君だっけ?そっちは、なんとかした方がいいかも…」
「なんとかって?」
やはり、それは…。
「ババって、最後に持ってなきゃあいいんだよね。
じゃあ、そのババをセイ君に押し付けるとしよう」
「え?私を?」
「ううん。ババなのはまりあちゃんじゃなくて、あの凶器。
今もあのボストンバッグの中にあるんでしょ?」
「はい」
今、それは康生さんの家にある。
あの凶器を、どうやってセイ君に押し付けるのだろう…。
康生さんのニュアンス的に、もしかして、セイ君を真犯人に仕立てあげるの?