離婚しましたが、新しい恋が始まりました
側にいてほしい
殆ど仮眠を取らずに、交代時間になってしまった。朝9時過ぎに病院の通用口から出たら、黒のセダンが止まっていた。
「おはよう」
「先生!」
運転席から降りて、磐が紬希の側まで歩いてきた。
「大丈夫か?」
「どうして、ここに?」
「村上先生から連絡をもらったんだ」
「あ……」
昨夜の急患の事で、気を遣ってくれたのだろう。村上医師の配慮と、わざわざ迎えに来てくれた磐の優しさに包まれて紬希は涙が出そうだった。
「今日、お仕事は?」
「おいおい、日曜だぞ。休ませてくれよ」
「あ、そうでした」
紬希は昨夜の重い気分を忘れて、ウフフと自然に笑うことが出来た。
「さ、乗ってくれ」