きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように
目を覚まし辺りを見回すと、そこには椅子に座って私の手を握っている星絆と窓に寄りかかる透真くんの姿があった。
「ごめんね」
私は星絆に違和感に気付かれてしまったような気がして慌てて平気なふりをした。
「私、小さい頃から貧血気味なの。ただそれだけだから」
「もう、本当に心配したんだよ?」
「ごめん。でも、もう大丈夫だからきっと明日には退院できるよ」
本当は薄々気が付いていた。
きっと明日には退院できないんだろうな、って。
もし仮に退院できたとしてもまたすぐに入院になるだろうな、って。
容体が安定していたのは治験の効果ではなく、嵐の前の静けさだったのだろう。
思考は尽きることなく落ち続けた。
だけど、星絆と透真くんの前では元気な私で居たかった。
偽りの笑顔といつもより微妙に声を高くして振舞った。
それから少しして二人ともバイトがあると言って帰って行った。
誰もいなくなった個室で私は声を殺して泣いた。
まだ病状が悪化したとは限らないけど、これまでの経験から、どうも良い方向には考えられなかった。
星絆とのせっかくの思い出を汚してしまったという罪悪感が私を一層苦しめた。