きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように
結局、一週間程度の入院になった。
どうやら数値があまりよくないようで、念のためにということだった。
とはいえ、体調が悪いという実感は無く、一日中ベッドの上で退屈な日々を過ごしていた。
あれから星絆は毎日お見舞いに来たが、心配をかけたくなくて入院から二日後には退院したと伝えた。
父や透真くんにも話を合わせてもらうことで、何とか気付かれることは無かった。
星絆は勘が鋭いから少しでも異変を感じさせないように徹底していた。
連絡はマメに取るし、電話があったときはすぐにラウンジに移動して平然を装って話した。
それもあってか特別怪しまれることはなかった。
流石にそこまでして星絆に言わないのもどうかと自分でも思ったが、やはりまだ言う気にはなれなかった。
やっと精神的に回復した星絆にはまだ早いような気がした。
回復の手助けになったという私が苦しみのどん底に突き落とすようなことはしたくない。
星絆には星絆の人生を大切にしてほしい。
その思いが強くあったため、当分言えそうになかった。
星絆がお見舞いに来なくなってからは透真くんにもお見舞いに来るのは控えてほしいと伝えていた。
早く透真くんや星絆に会いたいという気持ちがより一層私を治療に向き合わせた。
「蒼来、明後日には退院できるって」
父からそう聞いた時は幸せでたまらなかった。
この一週間の拘束の間、ずっとここを出た後にしたいことを考えていた。
それは、人生でやり残したことを意味する。
とはいえ、それが楽しみであることには変わりはなく、完璧なまでに練られた計画に胸が躍っていた。
そして何より、夏休みが終わる前に退院できることが嬉しかった。
それにより、星絆につき続けた嘘に気付かれる確率が下がる。
私は幸せな気分のまま、出来る範囲で荷物をまとめた。