きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように

　二学期の始業式から一週間が経過してもなお、透真くんの姿は教室になかった。

　そのため、あの日の私の発言が、彼を学校に来られないようにしたのではないか、と考えるようになっていた。

　「考え事？」

　昼休憩、星絆に話しかけられてふと我に返る。
　
　「うん、ちょっとね」

　「そっか、何かあったら言うんだよ？」

　「うん、ありがとう」
　
　私を心配して相談に乗ってくれようとする星絆に自分が夢見病患者だということを隠しているのはつらかった。
　
　でも、夢見病だと知られてもっと傷付けてしまうよりはまだ今の方が耐えられる。

　「ねぇ、透真くんってどうしたのかな？」

　「ただの風邪じゃない？まあ、確かに気にはなるかも、丈夫な身体が売りなところがあるからね、彼」

　言われてみればそうかもしれない。

　透真くんは体調を崩して学校を欠席することとかけ離れたような人間だ。

　そんな透真くんが風邪だというのは信じがたいが、これまで避けてきた病が回ってきたのだと思うと信じられなくはない。

　そう受け止めて星絆との談笑に集中した。


　結局、その日も透真くんが姿を現すことはなかった。