きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように
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「それで、本当に面白いんだよね」
電話の向こうで星絆は声を弾ませてそう言った。
あれから、星絆にも透真くんにも相談することなく高校を中退した。
混乱を避けるためにも、2人には事後報告といった形で、電話で伝えた。
その時に、星絆には毎週電話で高校の話をしてもらうように頼んだ。
話の中だけでいいから、私はまだ高校生でいたかった。
退院してからは好きなことだけをして過ごした。
中でも、誰かと過ごす時間を一番大切にした。
父、星絆、透真くん、たまに顔を合わせる地域の人。
誰でもよかった。
誰かと時間を共にするたびに、私は生きている、と思えた。
少しずつ、起きていられる時間は減ってきたが、私にとってはまだ沢山時間は残されているほうだ。
この決断は生きることを諦めたわけではない。
私なりに、どう生きるか、を考え抜いた結果だった。
もし余命よりも長く生きられたら、それはまたその時に考えればいい。
この生き方の方が型にはまってなくてしっくりと来ている気もする。
自分らしい生き方で、私は最期に向かって歩き始めた。