きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように
「せ……な……」
手を伸ばしても届かないところにいる星絆を叫んで呼んでみる。
「蒼来?」
振り返ることなく進んでいたはずの星絆の声がした。
ゆっくりと目を開けると横には星絆と父の姿があった。
この光景を嫌と言うほど見てきた私には自分がどの状態にあるのかが分かってしまう。
とはいえ、今回は思うように言葉は発せられないし、身体も全く動かない。
ベッドに張り付けられたような、そんな気分だ。
辛うじて機能している五感の内の視覚を頼りに辺りを見回す。
「無事でよかった……」
泣き崩れる星絆と堪え切れなくなった涙を静かに流す父。
そこに透真くんの姿は無かった。
透真くんに会いたい、と思いながらも、自分が会える状況ではないと悟った私は、どうこの場を収めるかを考えた。
病名を告げた日から見たくないと思っていた星絆の涙を、また見てしまった。
それも、また私が原因で。
この状況に思わず、こんな時に透真くんが居てくれたら、なんて考えてしまう。
彼も残された彼の時間を精一杯生きるという使命があるのにもかかわらず、私はやはり自分のことしか眼中にないのだと痛感させられる。
その後は、ひたすら泣き崩れる星絆を無言のままじっと見つめるだけだった。