きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように

 私の体調は相変わらず悪化の一途を辿っていた。それも急速に、だ。

 それでも、私には使命があった。

 それは、透真くんの問題の答え探し。

 とはいえ、今更探すとはいっても大半が不可能な話だ。

 もう私の足はあってないようなものなのだから。

 でも、その答えを探すことにしか生きる意味を見いだせなかったから、ちょうどよかったようにも思う。

 ヒントのないその言葉を透真くんの思考回路に簡単に潜り込めれば楽な話だが、どうもそうはいかない。

 それ故、簡単には見つかりそうにないし、最悪答えに辿り着けなくてもあの世で教えてくれるだろう。

 数日考えた込んだ結果、そう思うことで気楽でいられた。


 《世界の果てってどういう意味だと思う?》

 お見舞いに来てくれた星絆に聞いてみる。

 星絆は突然わけの分からないことを言い出した私に眉をひそめたが、自分のことのように真剣に考えてくれた。

 「世界の終わりってことではないんだよね?」

 それにはゆっくりと瞬きをして答える。

 何だろうね、と真剣な顔つきで頭を抱える星絆を微笑ましく思う。

 「もしかしたら世界に果ては無いのかもね」

 《ないの?》

 「だってみんなが見たことはないでしょ?それに地球は丸いし果てなんてないじゃん」

 星絆のその言葉にハッとした。

 その考えには妙に説得力があった。

 世界の果てはない。

 その考えは私には思いつかなかった。

 星絆のその考えが正しいかは分からないけど、そこからまた考えてみることにした。


 透真くんの言った、世界の果てに行きたい、の意味を。


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