きみの瞳に映る空が、永遠に輝きますように
 
 本当に世界に果てがないのだとしたら何が正解なのだろう。
 
 でも、結局、私には分かりそうになかった。
 
 もう時間もない、また朝がやってくる。




 病院の屋上で夜空を眺めていた。

 周囲は電気が消えていて、ところどころ街灯の明かりがあるくらい。

 夜空を見るのには持ってこいの状況だった。



 「あれ、はくちょう座だよ」

 隣にいた透真くんが指をさした。

 身体を寄せ合い、2人で寒さを凌ぐ。

 「星に詳しいの?」

 「ううん、それしか分からない」

 「そっか」

 少し抜けているところに遭遇して、思わず笑ってしまう。

 「結局、答えは見つかった?」
 
 透真くんに痛いところを突かれて言葉が出なくなる。
 
 「もう少しだけ待ってて」

 「わかった。蒼来ももう少し単純に考えてみたら?」
 
 「うん」


 「あと、俺が言うこと全てに意味があると思ってない?」
 
 「え?」
 
 「あの意味だって、そのままだよ。だから、もう少しだけ簡単に考えてみてよ」

 「うん、わかった」

 簡単に考える、か。

 それも、世界の果てがないというところから。

 やはり私にはわかりそうになかった。
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