お館様の番選び
長い長い話し合いのあと朧がはぁっとため息をついた。

「……分かった。…でも蜜月の儀式が終わるまでは待ってもらうけどね……。」

「いい。…全然いい。待てるよ。……ありがとう。朧っ!……」

わたしはあまりの嬉しさに勢いよくたちあがった。

……と思った……のに…あれ?……足が痺れて縺れたわたしは朧を押し倒して朧の上に覆い被さっていたのだった。

わたしの顔の真下に切れ長の綺麗な目を真ん丸に見開いた朧の顔があった。

わたしの両手は朧の両耳の横についていて、朧をわたしが囲いこんだかたちになっている。

「…うわっ。朧…ごっ、ごめん。」

「…いっ、いや……。」

すぐに起き上がろとしたが、足が痺れてうまく動けないでいた。

わたしと朧の顔がどんどん赤くなっていくのがお互いによく見えて、余計に恥ずかしい…。

わたしがモジモジしていると、朧の琥珀色の瞳が熱っぽく黄金色に変わっていくのがわかった。…えっ?朧…?

「……あ…か…」「おっと。お邪魔だったかっ?」

突然の明叔父さんの登場にわたしは慌てて朧から離れた。

…がそのままおもいっきり転んでベッドの足に頭をしこたまぶつけてしまった。

…ああ、星が飛ぶ…綺麗…。

「あかり、大丈夫っ?「大丈夫かっ?」」

同時に声をかけられるが恥ずかしさのあまり二人の顔もみれずに大丈夫といい部屋を飛び出してしまった…。

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