お館様の番選び
「…はぁ…はぁ…」

朧の唇がゆっくり離れていく。朧の唇とわたしの唇の間を二人の唾液が繋がり伝わる。

「……まだ…思い…出せな…い…?」

…?何…を?

朧は妖艶に微笑むと言った。

「…大丈夫…だよ。たっぷり時間は…ある…んだから……。んっ…。」

角度を変え、深さを変え朧の唇がわたしを貪っていく……。

唇…頬…顎…首筋…鎖骨…朧の唇が……指が…わたしの全身を優しくなぞる……胸の膨らみの先に朧の舌が触れ、わたしの身体はビクッと跳ねた。

「うっ…ああ。お…おぼ…ろ。…ふあっ…あっ…んっ。んんん……。」

……いつの間にかわたしも朧も一糸纏わぬ姿で重なりあっていた……。

朧の形のいい長い指がわたしの大腿の間をゆっくりとなぞる。

今まで感じたことのない初めての感覚にわたしは仰け反った。

「ああ。…ふあっ…んんっ…んっ…あああああ……」
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