お館様の番選び
「はぁ。…はぁ。…あかり…あ…い…して…る…。」

わたしの中に一気に朧が割りいって入ってきた……。

「くっ。はぁ…あか…り…。」

「あぅ…ふぁ…ああああ…んっ…んん。」

朧のうねるような身体の動きと下腹部の熱さにわたしの意識は幸福感と快感の渦の中を漂う。

どれくらいの時間が過ぎたのか……。

わたしたちはただひたすらひとつに溶け合っていた。

朧の黄金色の瞳がわたしを見つめる…。

朧の汗が通った鼻先から…額から…朧の全身からポタリと滴り落ちてくる…。

…綺麗……朧……朧の頬を両手で包む…。

「…あ…かりっ。…あかりっ。思い出して…大丈夫っ…だから…。んっ…」

朧はその背を仰け反らせるとわたしの名を叫びわたしの上に倒れこんだ……。

…その時わたしは朧ごしにいつかみたあの日の大きな満月が輝いているのを薄れる意識の中で見てい…た………。


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