お館様の番選び
外出の日の朝はわたしの奇声から始まった。
「ぐぇっー。」
いつものように朧をたたき起こしにきて布団の中で抱き潰されてしまった。
最近、急に背が伸びてきて、毎日鍛えているせいで程よく筋肉がついた身体も大きく、そんな朧にぎゅうぎゅうとされると小さなわたしはひとたまりもない。ぐっぐるじい……。
ばんばんっと朧の背中を叩いて抗議するものの、朧からは何の反応もない。
「すーすーすー」
「……はあっ。」
わたしは溜息をついた。そしてゆっくり朧に顔をむける。
身体は大きくなったのにそこには相変わらず幼さを残した綺麗な顔があった。
……ドキッ……なんか最近のわたしはおかしい。朧の顔なんて見慣れているはずなのにたまに心臓が跳ねる瞬間がある……。
しかもその瞬間はだんだん増えてきていて……。これは……
これは、たぶんこれがお館様一族の力なんだろう。朧も成長してるんだな。うん。きっとそうだ。
「んー。あ…かり。いー匂…い。」
そう言いながら、朧はゆっくり切れ長の目を開けていく。
「ぐぇっー。」
いつものように朧をたたき起こしにきて布団の中で抱き潰されてしまった。
最近、急に背が伸びてきて、毎日鍛えているせいで程よく筋肉がついた身体も大きく、そんな朧にぎゅうぎゅうとされると小さなわたしはひとたまりもない。ぐっぐるじい……。
ばんばんっと朧の背中を叩いて抗議するものの、朧からは何の反応もない。
「すーすーすー」
「……はあっ。」
わたしは溜息をついた。そしてゆっくり朧に顔をむける。
身体は大きくなったのにそこには相変わらず幼さを残した綺麗な顔があった。
……ドキッ……なんか最近のわたしはおかしい。朧の顔なんて見慣れているはずなのにたまに心臓が跳ねる瞬間がある……。
しかもその瞬間はだんだん増えてきていて……。これは……
これは、たぶんこれがお館様一族の力なんだろう。朧も成長してるんだな。うん。きっとそうだ。
「んー。あ…かり。いー匂…い。」
そう言いながら、朧はゆっくり切れ長の目を開けていく。