お館様の番選び
陽様
(朧視点)

高校にあがってすぐの頃、父からあかりに僕の側近の仕事とは別に屋敷外の仕事もさせるよういわれた。

ようはあかりと少し距離を置けということだ。

僕は父の言葉を無視していた。

あかりを僕の目の届かないところなんておいておけるわけがない。

僕の力はまだ不安定で、あかりの記憶のひとつも思い出させることは出来ていなかった。焦っていたんだと思う。

父の目からみて、僕がどれだけ危うく映っていたかということ気付くことも出来なかったんだ。

あかりのことを父が何も言わなくなった頃、父から従兄弟の陽(はる)の様子を見に行くよういわれた。

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