お館様の番選び
高校も必要ならしばらく休んでもかまわないとのことだったが、夏休みも近かったのでその期間を利用して陽の住む町を訪ねることになった。

陽と僕は同い年で同じ次期当主という立場ということもあり、一族の集りで会った時はいつも一緒にいた。

僕があかりの後をいつもついてまわっていたように、陽も僕の後をひっついてまわるようなやつだったから、あかりとも自然に仲良くなってたんだ。

まあ僕以上にあかりと仲良くしてたときは、あかりにばれないように制裁をくわえてやったけど。

今回はあかりの叔父の明さんも一緒に行くことになった。

陽の住む町まではかなり距離があり、車の中で退屈することがないようにとあかりが準備した大荷物を乗せる乗せないでもめるひと悶着はあったが、なかなか快適な旅になった。
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