ただ、まっすぐ君を想う。

外の空気が澄んでて

星が綺麗だった



「星、落ちてきそう」



「こわくない?
雛、雪こわがってたじゃん」



「うん
こわくない
凰ちゃんがいれば、こわくないよ」



白い息が

夜空に上がった



日本に帰ったら

凰ちゃんいない



「コレ…オレの代わり…」



繋がれた手を見たら



私の指が

キラキラ光ってた



「え…いつの間に?」



「やっぱり大きかった
雛、もっと太れよ
コレ以上小さいサイズないって
子供のリング?ってお店の人に言われた」



そう

私の指に

指輪が光ってた



「雛、愛の婚約指輪見て
欲しそうだったから…」



ポテトの最後の1本と同じ



私はそんなに

欲しそうに見てるんだ



え、でもコレは

ポテトと違って



「凰ちゃん、コレ…
そんな安易に買えるものじゃないし
そんな簡単に貰えるものでもないよね?」



「うん…
そんな簡単にあげてないし
ハッキリ言うと安物でもないから…
オモチャじゃないから、なくすなよ

今、渡すか迷ったけど
雛がこっちに来て
毎日一緒に過ごしてみて
なんか決心がついたっていうか…

中途半端な気持ちじゃないし
責任て意味で
渡しとく…

真剣だから…

コレ渡す人
雛しか考えてないから…

よかったら、受け取ってほしい」



私が凰ちゃんに抱いてる

大好き…とか

そんな簡単な気持ちじゃない



もっと

重くて



もっと

凄いことだって



高校生の私でも

わかった



私の指で

光り輝いてる指輪



「凰ちゃん…
私でもいいの?
私なんかでいいの?

チビで子供だけど…

凰ちゃんには
まだ釣り合ってないかもしれないけど…

凰ちゃんが大好きなのは
誰にも負けてなくて…

凰ちゃんのこと
ずっとずっと待ってて…

なにもできなくて
大好きしか言えないけど…

私が貰ってもいいのかな?」



「雛しかいないから…
そんな小さい指輪ハマるの

雛が貰ってくれなきゃ
他に誰もいない

雛しかいない…
雛が、いい」



指輪が涙で滲んで

もっとキラキラした



「凰ちゃん
嬉しい…

なくさないように
ネックレスに通しておくね

凰ちゃんがいなくても
コレがあったら…
コレがあるから…

でもやっぱり…
凰ちゃんがいいよ〜」



「雛が日本に帰っても
頑張れるように渡したのに…
もぉ泣いたし…」



凰ちゃんの大きな手が

私を撫でてくれた



それから

抱きしめてくれた



「雛、もぉ少し頑張れる?

ちゃんと迎えに行くから…

時期みて、ちゃんと云うから…

待ってて…」



「うん…凰ちゃん…ありがと…」



寒さを忘れる

温かい冬の夜



そーだ

私、夏休みだった



高校最後の夏休み

最高の思い出



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