ただ、まっすぐ君を想う。
オリバーの車で
また空港まで送ってもらった
昨日
凰ちゃんから指輪を貰った
お姉ちゃんが貰ったみたいな指輪
たぶん
お姉ちゃんのより
絶対
お姉ちゃんのより
イイヤツ!
世界中のどんな高級な指輪より
イイヤツ!
だって
大好きな凰ちゃんが
くれたんだもん
最後の夜は
凰ちゃんの腕の中
幸せに包まれて寝た
キスもしてくれたよ
彼女とか付き合うとか
そんなのなくても
幸せ
大好き
凰ちゃん
私
待ってるね
私
頑張るね
「♡%÷≠△$♪×♡¥&%#!!」
オリバーが私に話し掛けてきた
「なに?凰ちゃん」
「ん?
来た時よりかわいくなってるって」
オーストラリアの人も
お世辞とか言うんだ
「雛、なに赤くなってるんだよ」
「だよね、お世辞なのに…」
「%÷≠△$♪×¥♡♡♡!」
凰ちゃんがオリバーに何か言ったら
オリバーの白い肌がピンクになった
オーストラリアの人も
赤くなるんだ
「凰ちゃん、オリバーになに言ったの?」
「ん?オレのおかげ!って…
そしたら、オリバーが
なにがあったんだ?って聞くから…」
「もぉ…凰ちゃん恥ずかしいよ
言わないでよ!」
「別に恥ずかしいことしてない
オリバーが勝手に想像してる」
車から荷物をおろして
オリバーが
私に抱きついた
挨拶だよね
凰ちゃんと目が合った
「別に、いいよ
信じてるから…雛のこと」
凰ちゃんがスーツケースを引いて
空港を歩いた
あー…
巻き戻したいなって思った
ここに来た
あの日に戻りたい
「雛、忘れ物ないよね?」
「うん、たぶん…」
「あったら、送るわ」
「うん、ありがと…」
ホントに私
日本に帰るんだ
向こうに帰ったら
まだ夏休みだけど
オーストラリアの夏休みは
濃くて
熱くて
短かった
「忘れても
送れないものもあるけど…」
凰ちゃんが言った
「ん?なに?」
立ち止まったら
ーーーーー
凰ちゃんに
キスされた
空港だから
きっと挨拶だ
「雛、忘れるなよ」
「うん…ごめん…」
言葉が詰まる
「せっかく楽しかったんだから
最後、雛の笑顔がいいな…」
ネックレスに通した指輪をギュッて
握った
「うん、楽しかった
…
幸せだったよ
凰ちゃん」
「まだ、これから
もっと幸せにするから…」
「うん
大好き…凰ちゃん」
背伸びしたら
凰ちゃんが屈んでくれた
ーーーーー
「雛ばっかり言うなよ
…
オレ、我慢してんのに…
…
オレも好きだよ、雛
…
絶対、迎えに行くから…
笑って待ってて…
…
また、キスしよ」
オリバーがいるのも忘れて
ふたりの世界だった
日本で待ってるね
凰ちゃんと
凰ちゃんのキス