ただ、まっすぐ君を想う。
凰ちゃんが帰って来た
今度は会いたい時に会える
それにしても
凰ちゃん
もぉ少し会いたかったふうにしてくれても…
オリバーだって
私に会えて嬉しそうだったよ
ママも
凰ちゃん帰って来たね!って
喜んでた
凰ちゃんは
ぜんぜん普通だった
しばらくこっちにいるって言ってたけど
いつでも会えると思うと
こんなものなのか…
部屋でひとり虚しくなった
会いたかったのは
私だけだったのかな…
一緒にいたいのは
私だけなのかな…
これじゃ
凰ちゃん帰って来たのに
テンション上がらない
ベッドでゴロゴロした
いいもん
凰ちゃんなんかカンガルー抱いてろ!
凰ちゃんに抱かれてなんかやらないから!
「雛…」
凰ちゃんの声が聞こえた気がした
私
会いたすぎじゃん
幻聴?
耳鳴り?
「雛…」
え…
スマホのミュージックのボリュームをさげた
「凰ちゃん?」
「雛、入るよ」
「え、うん…」
慌ててベッドから起き上がって
髪を整えた
「凰ちゃん…どーした…の?」
ドアが開いて
息をする間もなく
凰ちゃんに抱きしめられた
「雛…会いたかった…」
ゆくっり息をしたら
凰ちゃんの匂いがした
「私も会いたかったよ」
結局
抱かれた
凰ちゃん
大好き
凰ちゃんの胸で息をする
幸せだな
やっぱり
さっきはオリバーいたからか…
凰ちゃんも会いたかったなら
許す
単純な細胞で生きてる
私
「オリバーは?」
「今、シャワーしてるから大丈夫」
「じゃあ、すぐ帰らなきゃだね」
「うん
今、雛のパパとママに挨拶してきた
雛と真剣に交際させてほしいって…」
「え…」
「ダメだった?」
「ダメ…じゃない」
凰ちゃん
交際って?
また
凰ちゃんの…
「もう一度
オレと付き合ってください」
彼女になれるの?
「今度は、寂しい思いさせないから…」
「え…うん…」
ホントに?
凰ちゃんの彼女?
なんか信じられないな…
凰ちゃんのことが
信じられないんじゃなくて
また凰ちゃんの彼女になれることが
「大丈夫…?雛
あっちでも言ったけど
オレ、真剣だから…
軽い気持ちじゃないけど、いい?」
「夢…じゃ、ないよね?」
ゆめみごこちって
こーゆーことかな?
私の首に
凰ちゃんの手がまわった
え、凰ちゃん?
目を閉じた
ん?
首からネックレスが外されて
そこについてた指輪を
凰ちゃんが私の指にはめた
なんだ
キスじゃなかった
ドキドキしたのに…
「雛、夢じゃないよ」
夢でもなかった
私の指で光るリング
「…はい…よろしくお願いします」
ーーー
今度はキスだった
凰ちゃんの唇が
優しく当たる
「雛、好きだよ」
「凰ちゃん、私も好き」
ーーーーー
迎えに来てくれた
私の王子様