ただ、まっすぐ君を想う。
「冴島くん、コレ…ハワイのお土産」
「ありがと
なに?コレ…だいぶ大きいね」
「アザラシの抱き枕なんだけど
輸送するの大変だったの!
うちにはカンガルーがいるの」
「よくわからないけど、ありがと」
バイトが終わって
バックルームで冴島くんに
結婚式のお土産を渡した
「で、新婚さんは
あそこの大きな家に住むの?」
「冴島くん、凰ちゃんの家知ってる?」
「うん、知ってるよ
公園の近くの大きな家でしょ」
「うん
でも凰ちゃんが
ドロボーが入ったら大変だから
セキュリティがしっかりしてる
マンションにするって…
すぐそこのマンションに住むことにしたの」
コンビニ近くのマンション
コンビニまで徒歩3分弱
私の通勤にもいいって
凰ちゃんが決めた
「え、あのマンション?
一条さん、コンビニのパートで大丈夫なの?
あ、大城さん」
「全部、凰ちゃんに任せてる」
「へー、年上の男性ってスゴイね
まだ学生のオレには考えられないな
しかもかなり一条さんに過保護だよね
あ、大城さん」
「そおかな?」
「セキュリティ付きマンションもそおだけど
たまたま今、帰りだったから…
とか言って、よく迎えに来るよね
絶対、一条さんが帰る時間に合わせて
仕事終わらせてると思う
あ、大城さん」
「そぉ?
それは過保護とは違うよ」
「じゃあ何?」
「愛されてる♡」
「…
新婚て、スゴイんだね」
「ん?なにが…」
「よくわかんないけど
一条さん、幸せそうだね
あ、大城さん」
「冴島くんだって
彼女のこと好きでしょ」
「うん、好きだよ
オレもしっかりしなきゃな…
オレ達って
やっぱ彼女の方が年上に見えるかな?」
「んー…そーだね…
冴島くんの彼女、綺麗だもんね
綺麗なお姉さん…てカンジ
あーゆー人が冴島くんのタイプなんだね
私と正反対」
「かもね…
…
でもオレ
一条さんのこと、いいな…って
思ったことあるよ」
「ウソ…
だって私なんか、
冴島くんのタイプじゃないじゃん!」
「一条さんも
オレのこと、タイプじゃないでしょ?」
「うん」
「即答ありがとう
じゃあオレもタイプじゃない
…
オレのタイプ
オレのことを好きって言ってくれる人」
「あ、そっか!
バレンタインに
本命チョコもらってたもんね!」
「うん、よく覚えてるね
一条さんは、結局くれなかったよね
…
あの時も一条さんは
おーちゃんのことしか頭になくて
この人、バカなのかな…って
ちょっと思っちゃうくらい
おーちゃんのことしか考えてなかったよね」
「え、ヒドーい!
凰ちゃんのこと悪く言わないでよ!」
「おーちゃんのことは悪く言ってないよ!
…
少しでもオレのこと見てくれないかな…って
ちょっと思ったオレが1番バカだったかも
…
大好きなんだね
おーちゃんのこと…」
「うん!大好き♡」
「一条さんのそーゆーところが
かわいいのかもね
…
おめでとう
お幸せにね、大城さん」
「ありがとう
あ!帰らなきゃ!
凰ちゃん帰ってきちゃう!」
「一条さ〜ん
旦那さんが迎えに来たわよ」
「店長、スミマセン
お土産置いておきました!
冴島くん、お先に…
おつかれさまでしたー」
「おつかれさま」
「おつかれー」
「幸せそうね♡
旦那さん、イケメンだし」
「店長もタイプですか?」
「うん♡
あ、お土産、マカダミアナッツだわ
冴島くん、お土産なんだった?」
「え…」