ただ、まっすぐ君を想う。
新しいマンション
新しい生活
一緒にご飯を食べて
お風呂に入って
お風呂はまだ一緒じゃないよ
一緒に寝て
一緒に起きる
毎日
凰ちゃんと一緒
私の
ずっと
大好きな人
「雛…
これから、よろしくね」
寝る前
ベッドに座って
凰ちゃんが言った
「はい!
こちらこそ、よろしくお願いします」
緊張して正座してしまう
「雛はオレのことを好きなこと
当たり前のことだと思ってるかもしれないけど
ひとりの人を一生愛するって
すごいことだと思うんだよね…」
「うん
私は凰ちゃんしか知らないもん」
「だから
こわいんだよね、オレ…
…
これから先、一緒に生きてたら
いろんなことがあると思う
…
雛に嫌われたらどーしよ…とか
雛に他に好きな人ができたらどーしよ…とか
…
雛を好きになってから
ずっとこわかった
…
こんなオレだけど
オレなりに、雛を大切にするから
よろしくお願いします」
「凰ちゃん…
…
どーしよ…私…
凰ちゃんがそんなこと言ってくれたら…
嬉しすぎて…
…
どーしよ…
もっと好きになるし…
…
私は…私は…
ずっと…
…
凰ちゃんしか知らなくて
これからも凰ちゃんしか好きにならないよ
…
ただ…ただ…
凰ちゃんのことを…
…
好きなだけだよ
…
私は
ぜんぜんすごくない
…
凰ちゃんが
私をまっすぐ導いてくれた
…
これからも
大好きだよ
…
凰ちゃん…」
ただ
ただ
まっすぐ
あなたを
好きなだけです
「凰ちゃん、今日は帰らなくてもいんだね
家族だもんね
なんか、不思議」
「うん、今日も明日もずっと
帰らなくていいよ
奥さんに帰られたら困るし…」
「奥さん…
凰ちゃんの、奥さん…」
「お姫様の方がよかった?」
「んー…迷う…どっちもいいな…」
「雛、かわいいな…
…
雛…好きだよ」
ーーー
ーーー
ーーー
凰ちゃんの
優しい
キス
ドキドキして
やっと浅く息をしたら
ーーーーー
「雛…愛してる」
深くて重いキスが
おちてきた
ずっと
欲しかった
言葉
ずっと
欲しかった
気持ち
「雛、ごめん
オレは王子様じゃないから…」
ーーーーー
ーーー
ーーーーー
凰ちゃんは
ずっと私の
王子様
絵本には描かれてない
王子様の凰ちゃんも
好きよ♡
「凰ちゃん
私も、愛してる」
ーーーーー
ーーーーー
凰ちゃんの
奥さんに
なりました
大城 雛(18)