ただ、まっすぐ君を想う。

冷たい外の空気が

ちょうどよかった



まだ熱いぐらい



さっきのは

キスかな?



半分て

そんな半分

アリ?



雛、少し大人になったじゃん



凰ちゃんからもらいたかった言葉

もらえたのに

ぜんぜん大人じゃない



こんなとこで

ドキドキして

めっちゃ熱くなってる



キスじゃないって



キスしたことないからわからないけど

たぶん違う



ポテトも鼻チューも

凰ちゃん今日はどぉしたの?





からかわれてる?



「雛、ずっとバイト?」



「ん?うん…そーだよ…
大晦日と元旦は休みだよ」



声うわずってるかな?





凰ちゃんは

ぜんぜん普通なのに…



「凰ちゃんも
お正月こっちでゆっくり過ごしたら?
友達と二年参り行けばいいのに…」



「んー…
こっちの友達も結婚してるか
彼女いるしな…」



凰ちゃんも

きっと彼女を選ぶんだ



帰っちゃうか…



「そーなんだ…
あ、私、もしだったら
一緒に二年参り行ってあげようか?」



なんで上から?

ホントは私が一緒に行きたいのに…



「いいよ
雛は、友達と行くんだろ」



断わられた



「じゃあ、帰って来たら
年越し蕎麦一緒に食べようよ!
あ、年越しにならないけど
凰ちゃん起きて待っててよ!」



年越し蕎麦で凰ちゃんを繋ぎ止めてる





どんなことでも

凰ちゃんに少しでも長く

日本にいてほしかった



彼女に負けたくなかった



「うん、じゃあ待ってようかな」



蕎麦

勝った!



「うん!
前もよく一緒に食べたよね!」



「雛が眠くて
だいぶフライングして
毎年、年が明ける前に食べ終わってたけどね」



だいぶ子供じゃん





「今年はオレが寝ないように待ってるから…
起きてられるかな…寝てたら起こして」



「うん」



とりあえず

年が明けても

凰ちゃんといれる



年越し蕎麦

サイコー



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