ただ、まっすぐ君を想う。

「ママ、もぉ寝てたから、天ぷらなかった」



蕎麦を茹でてコタツに運んだ



「美味そうじゃん
雛、料理できるんだ」



「こんなの料理に入らないよ
茹でて、ワカメとナルトのせただけだもん」



「いただきます」



凰ちゃん

いつもより

なんか口数少ない



ずっと黙って食べてる



不味かったかな?



料理でもないのに

それさえちゃんとできないとか

ダメじゃん私



「味、濃かったかな?」



「んー、美味いよ」



「天ぷらなくて、ごめんね」



「寝る前に食べると胃にもたれるからいいよ」



「ちょっと、茹ですぎたかな?」



「いや、そんなことないけど…
雛、食べないの?」



「あ、うん…食べるよ」



手が震える



さっき

久しぶりに繋いだ

凰ちゃんの手



私から繋いだのに

ずっと

ドキドキしてて



子供の時と

なんか違った





もぉ子供じゃないのかな?



凰ちゃんを好きな気持ちも

子供の時とは違うの気付いてた



「ごちそーさま
美味かったよ
食べたら、なんか眠くなった」



凰ちゃんがコタツで横になった



「凰ちゃん
そんなところで寝たら風邪ひくよ!」



「その言い方
ママそっくりだな」



凰ちゃんは

そう言って目を閉じた



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