ただ、まっすぐ君を想う。

片付けをして

コタツに戻ったら

凰ちゃんホントに寝てた



凰ちゃんの隣に

そっと入った



凰ちゃんと向き合った



好きだな



凰ちゃんの寝顔を見て想う



寝ても覚めても

私は

凰ちゃんが好きだ



朝起きてから

夜寝るまで

凰ちゃんを想う



ずっと

あの時から



大きなお城で

王子様に会ったあの日から



神社で偶然会った冴島くんを

運命の人っていうなら



パパとここに越してきて

出会った凰ちゃんの方が

絶対運命の人だよ



でもそんなこと言ったら

パパがママと再婚して

ここに来たお姉ちゃんが

凰ちゃんの運命の人かもしれない



お姉ちゃんも凰ちゃんも

今はお互いに付き合ってる人いるけど

なかなか結婚しないのは

やっぱりふたりは運命の人で…



そんなこと

年明けから考えたくない



新年の抱負

『今年も凰ちゃんが好きです』



毎年コレだな



きっと来年も

再来年も



ずっと



凰ちゃんが好き



凰ちゃんの寝顔を見ながら

凰ちゃんを想う



凰ちゃんのスウェット

胸の辺りをギュッて握ったら

また手が震えた



子供だな





凰ちゃん寝てるのに

緊張する



そのまま凰ちゃんの胸に

顔を埋めた



スウェットから

凰ちゃんの匂いがした



「凰ちゃん…好き…」



微かに出た声が震えた



自信なさそうな声

情けない声



こんな声じゃ

凰ちゃんに届かない



届かなくていいのかも

届いちゃダメかも



ただ

凰ちゃんを好きなだけなの



届いたら

凰ちゃんを

困らせちゃうかもしれない



「…ん…」



凰ちゃんが急に動いたから

寝たフリをした



目を閉じたら

抱きしめられた



凰ちゃんが

私を

抱き枕みたいにギュッて



よくコタツでこーやって寝てた

ふたりとも汗かいて



今日は

汗じゃなくて



なんでだろ?

涙が出てきた



凰ちゃん

このまま離れたくない



凰ちゃんの胸から

顔を上げたら



大好きな人が

そこにいた



「凰ちゃん…好きなんだよ…大好きなの…」



寝ている凰ちゃんの頬に

そっと触れた



いつも触れそうで触れない

触れてくれない

凰ちゃんの唇



触れてみたい



ゆっくり

凰ちゃんの唇に

私の唇を重ねた



ーーー



熱くなって

それから

震えた



「…凰ちゃん…ごめん…
でも…好きなんだもん…」



私の

初めての

大好きな人とのキスは



高揚の後の

罪悪感の方が

大きかった



凰ちゃんに抱かれたまま

涙溢れる目を閉じた



何やってるんだろ





凰ちゃん彼女いるのに

キスなんかして



バカだ



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