ただ、まっすぐ君を想う。

凰ちゃんと一緒にバイト先まで歩いた



昨日の今日で気まずいけど

やっぱり

凰ちゃんと一緒にいれたら嬉しい



「お姉ちゃんの指輪
すごいキラキラしてた」



「あー…」



「ママ、すごく喜んでた
パパには、まだ言ってないんだよ
パパ、泣くかな?」



「うん、パパ泣くかもな」



「だよね…

凰ちゃんは?
凰ちゃんは
お姉ちゃん結婚するの嬉しかった?
それとも…」



お姉ちゃんのこと

好き?



やっぱりお姉ちゃんが結婚するの

嫌?



「よかったんじゃね
愛、幸せになるといいな…」



昨日の凰ちゃんと違って

今日はホントに祝福してそうだった



「お姉ちゃんにもう1回おめでとうって
言ってあげてよ
きっとお姉ちゃん喜ぶから…」



「んー…そーだな
昨日、オレ感じ悪かったよな

雛も欲しいの?あーゆーの…」



「ん?」



「指輪」



たぶん
凰貴も気付いてると思うよ



凰ちゃん

私の気持ち知ってるの?



なんて答えたらいい?



欲しいよ

凰ちゃんからもらいたい



「んー…
いつか、欲しいな…」



「女の子の憧れってヤツ?」



「うん、そーだね」



「雛、ちょっと手かして…」



「ん?はい…」



凰ちゃんに手を差し出した



「雛の手、ちっちゃ…
んー…
これじゃ小さすぎて合う指輪ないかもな」



「え!そーなの?」



「早く大人になれ
雛もいつかもらえるといいな…」



「…うん…」



私だって

好きで子供やってるわけじゃない



早く大人になりたいよ



凰ちゃんが

そのまま私の手を繋いだ



ん?



これも

私が子供だから?



「凰ちゃん…」



「ん?なに?」



ドキドキするよ



「凰ちゃんの手、温かいね」



「雛の手も温かいよ」



凰ちゃんは

ドキドキしてない?



ドキドキするのは

私がまだ子供だからかな?



「凰ちゃん
やっぱり、帰りも迎えに来てほしい」



「あぁ、いいよ」



「寒いから中で待っててね」



少しぐらい

甘えてもいいかな



「じゃ、頑張って…」



「うん、ありがと」



凰ちゃんの手が離れて

寂しかった



凰ちゃん

帰りは

私から繋いでもいいかな?



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