ただ、まっすぐ君を想う。

「一条さん、あけましておめでとう」



「あけましておめでとう」



冴島くんは私と1時間遅れのシフトだった



ふー

まだ1時間しか経ってない

長いな…



「あ、この前神社で新年の挨拶したっけ?」



冴島くんと一緒に年を超したんだった



「この前は、ありがと
冴島くん、友達と合流できた?」



「うん、できたよ
一条さんは?
あの後いい感じになったの?あの人と」



「いい感じ…でもないかな…
よくわかんない
でも、今日バイト送ってくれたし
帰りも迎えに来てくれるって約束したよ」



「それ、絶対一条さんのこと好きじゃん」



「そぉかな?
私が子供だから心配なんだと思う」



「他の男に連れて行かれないように?」



「え?そんなことないよ」



「そんなことあるよ
オレも男だから、わかる
この前もオレ達のこと
ちょっとあやしんでたし…
あの人、大人なのに余裕ないね」



「凰ちゃんのこと、悪く言わないでよ!」



「あ…ごめん
…で
一条さん、あの人のこと好きなの?」



「うん、好き…大好き!
優しくて…カッコよくて…
私の王子様だもん
あ、さっきお年玉もらったの!
海外で働いてるんだけど
今はオーストラリアにいて…」



「え、お年玉って…もしかして援交…?」



「え?エンコーって?」



「シー!
あ、お客さん
いらっしゃいませー
一条さん、レジ!」



「はい!」



もぉ…私の方が後輩みたい



「いらっしゃいませー
おまたせしました!」



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