ただ、まっすぐ君を想う。
「ねぇ、凰ちゃんて
高校時代、お姉ちゃんのこと好きだった?
…
もしかして、今も?」
聞いてしまった
「あー…今はそんな感情ないけど
高校時代、流れで告白して…フラれた」
知らなかった
自分から聞いたけど
ショックだった
「流れって?」
「毎日一緒にいたしさ
1番身近にいる女子だったし
好きになるじゃん
…
愛もオレのこと好きだと思ったし
それで告ったらフラれた
…
オレの勘違いだった」
「やっぱり、好きだったんだ」
「やっぱり…って?」
「凰ちゃん、お姉ちゃんのこと
好きそうだもん
…
今も、お姉ちゃんに彼氏いなかったら
凰ちゃん絶対好きだと思う
もしかして、付き合ってたかもね」
「そんなこと…」
凰ちゃんの手から
私の手がすり抜けた
私が抜いたけど
簡単にすり抜けた
ほら…
当たり前だけど
凰ちゃんは
私のことは離したくないくらい
想ってない
「そんなに好きだったら
凰ちゃんだって彼女なんか作ってないで
お姉ちゃん一筋に
想い続けたらよかったじゃん
なんで他の人となんか付き合ってんの?」
今まで思ってた事
パズルの最後のピースがハマったみたいだった
言葉が止まらなかった
「その彼女のことはホントに好きなの?」
彼女のことは
離したくないくらい
しっかり抱きしめてるの?
お姉ちゃんより
ずっとずっと好きなの?
私のこと
かわいいとか言うけど
どーせ私より何倍も何百倍もかわいんでしょ
「凰ちゃんバカじゃないの?
お姉ちゃん、結婚しちゃうじゃん!」
お姉ちゃんより大切なの?
最後のピースがハマったのに
またグチャグチャにしたくなった
「お姉ちゃんのこと好きなクセに…
彼女いるクセに…
…
私にキスなんかしないでよ!
…
私のこと、お姉ちゃんに重ねないで!
私は私だよ
…
子供バカにするな!
子供だって…子供だって…」
子供だって
ちゃんと恋をする
大人みたいに
ズルくない
私は
ただ
「雛、ごめん
昨日のは…」
「凰ちゃんのこと…凰ちゃんのこと…」
好きで好きで
仕方ないのに…
ずっとずっと
好きだったのに…
ただただ
大好きなのに…
「凰ちゃん…大嫌い!」