ただ、まっすぐ君を想う。
すぐに凰ちゃんに電話した
嫌われないかな?
「凰ちゃん?」
「うん、どーした?
ママなんだって?」
「凰ちゃん、ごめん
あんまり電話しないって言ったのに
すぐしちゃった」
「いいよ」
「凰ちゃん…ありがと…
バラ…届いた…」
「よかった、ちゃんと届いて…
大学の友達が花屋やってて
直接渡せないから、頼んだんだ」
「凰ちゃん、嬉しい…」
凰ちゃんが
どんな気持ちで
どんな意味で
このバラを
私に贈ったのかわからないけど
嬉しかった
「凰ちゃん、ビデオに変えるね
凰ちゃんの顔見たいから…」
「なんか、照れるじゃん」
「いいじゃん」
「オレも雛の喜んでる顔見たいかも…」
ビデオ通話にしたら
凰ちゃんが少し照れてるのがわかった
「凰ちゃん、ちゃんとこっち見て…」
「ん…うん、見てるよ」
「凰ちゃん、ありがと」
「うん」
「凰ちゃん、面倒くさくなかった?
こーゆーの苦手じゃなかった?」
「んー…雛が喜んでくれるなら
ぜんぜん面倒じゃないけど…」
「ごめんね…
私、何も用意してないや
…
面倒くさいとかじゃなくてね
ホントはいろいろ考えた
…
凰ちゃんに
ずっと電話したかったし…
…
凰ちゃんに
チョコ送ったら面倒くさがられるかな…
…
凰ちゃん
誰かからチョコもらうのかな…
…
凰ちゃん
もぉ新しい彼女できたかな…
…
毎日、いろいろ考えてね…
…
毎日、凰ちゃんの声聴きたくてね…
…
毎日、凰ちゃんに会いたくてね…
…
ちょっと好きが…
毎日ちょっとずつ好きになってね…
…
ホントは大嫌いなんかじゃなくてね…
…
ごめんね…
なんか、面倒くさいね…私…」
「面倒くさいなんて思ってないよ
…
オレも毎日
雛のこと考えてた
…
ずっと電話してこないから
また嫌われたかな…って…
…
どーすれば
雛、喜んでくれるかな?
…
ずっと考えてた
…
よかった…
ちょっとずつ好きになってくれてるんなら」
画面の中で
凰ちゃんが笑った
凰ちゃん
大好き
ダメだ
気持ちが溢れる
「凰ちゃん
ホントはね…
ちょっと好きじゃなくて…
…
ホントはね…
私、凰ちゃんのことが…
…
…
大好きなんだよ
…
…
好きで…好きで…
毎日、大好きで…
…
…
どーしよ…
言っちゃった…
…
…
声…震えてる…」
伝えても
よかったかな?
抑えられなかった
大好きな気持ち
恥ずかしくて
凰ちゃんからもらったバラで顔を隠した
「雛…ありがと…
…
ごめん…近くにいれなくて…
…
オレも、好きだよ
雛のこと、好きだよ
…
んー…伝わるかな…
画面通して伝えるって難しいな…
…
今、もし近くにいたら
雛のこと、抱きしめてあげられるのにな…
…
それから…
キスしてた
…
それくらい、好き…
…
あの時キスしたのも
軽い気持ちなんかじゃなかった
…
ちゃんと好きだったよ
雛が…
…
会えないけど
いつでも電話してよ
あ、仕事で出れなかったら、ごめん
オレからも電話するし…
面倒くさかったら出なくてもいいから…
…
…
雛…
伝わった?
…
好きだよ…雛…」
涙で
凰ちゃんが見えなくなってた
「うん…伝わった…」
近くにいないから
したいのにできないことが
何倍ももどかしかった
凰ちゃん
今すぐ
近くに行きたい
「雛…
バラで顔隠れてるから、ちゃんと見せて…」
「ん…うん…」
顔の前から
凰ちゃんがくれたバラを外した
「泣いてんじゃん
泣くなよ…オレも泣きたくなる
…
ちゃんと雛の気持ち、伝わったよ
…
チョコより
ずっと嬉しいよ…ありがと…」
「うん…凰ちゃん…大好き…大好きだから…」
言いたいことを言って
嬉しいのに恥ずかしくて
ビデオ通話を強制終了した
ごめん
凰ちゃん
ありがと
凰ちゃん
大好き
凰ちゃん
ハッピーバレンタイン♡