ただ、まっすぐ君を想う。

だいぶ遅くなったけど

後日

凰ちゃんに手作りチョコを送った



ちゃんと届くかな?



「雛、チョコありがと」



凰ちゃんから電話がきた



「届いた?」



「うん…暑くて溶けてたけど…」



「え!ホントに?」



「うん、でもちゃんと食べたよ
おいしかった
雛が作ってるところ思い浮かべて食べた
雛、またニキビできたかな…って…」



「できたよ
凰ちゃんには見せない!

ところで凰ちゃん
聞きたいことがあるの」



「うん、なに?」



「私と凰ちゃんは…
付き合ってるの?

彼氏と彼女なの?」



「んー…」



この前、好きって言ってくれたけど

やっぱり付き合ってないのか…



「なんだ…そーゆーのじゃないんだ…」



ふりだしに戻った気がした



「雛、ビデオに切り替えていい?」



「ん?ニキビ、見ないでね」



「うん…」



画面に凰ちゃんが映った



やっぱり好きだな

彼女になりたい



近くにあったクッションで

口元のニキビを隠した



「雛、またかわいくなった」



「昨日もビデオ通話したでしょ」



バレンタインの日から

凰ちゃんとは

だいたい毎日電話してる



ほぼ私から掛けてる

今日は凰ちゃんから掛けてくれた



「うん、したけど…
今日もかわいいな…って思ったから…」



でも

彼女ではないんでしょ?



「それって、妹みたいな?」



凰ちゃんの好きは

やっぱり

そーゆー好きなの?



キスしたいんじゃないの?

妹にキスする?



「妹?
じゃあ、雛はオレのこと
オジサンだと思ってる?」



「凰ちゃんは、オジサンじゃないよ
凰ちゃんは、凰ちゃんだよ」



「うん、オレも同じ
雛は雛だよ」



「なんか、ズルいな…凰ちゃん…

でも、好きだよ…凰ちゃん」



「うん、オレも好きだよ

雛の声も
雛の笑顔も
雛のニキビも
好きだよ」



「もぉ!見えてるんじゃん!ニキビ」



「うん、微妙に隠れてないもん」



凰ちゃんが笑って

私も笑った







変な間

凰ちゃんの顔が真剣になった



「雛…大好きだよ


付き合おっか…

大切にするから…」



息が止まった



ずっと欲しかった言葉



凰ちゃんと

付き合う



凰ちゃんの

彼女になれる



「凰ちゃんの、彼女ってこと?」



「うん…」



「妥協してない?」



今度は妥協して付き合わないことにする
ホントに好きな人と付き合う



「うん、してないよ」



凰ちゃん

ホントに…?



「毎日電話するよ
いいの?」



「うん、オレもするよ」



「面倒くさいこととか、言うかもよ
いいの?」



「うん、極力受け止めるよ」



「チビで子供だよ
いいの?」



「うん、かわいくて好きだよ」



ずっと待ってた言葉なのに

実際言われたら

自信なくなる



ホントに私でいいのかな?

私が彼女でいいの?



私ってホント面倒くさい

自分でも思う



でも…



「お願いします
凰ちゃんの彼女になりたいです!」



いろいろ考えたって

私は

凰ちゃんが好きなんだ



ずっと

それしか考えてない



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