四季の姫君
結真くんはすごくモテる。
それは、私が彼の存在を知ってからずっと、だけれど。
高校生の時もすごく、モテていた。大学生の時はどうなのかわからないけれど、きっとモテていたはずだ。
そして、それは就職してからも変わらず。”教師”という立場になって、もっともっと。
年々、年を重ねて大人になっていくその余裕?ってものなのか
魅力を増している気がするのはきっと
”彼女”である私が彼氏マジックにかかっているわけではないと思う。
「・・・さむ」
最近の彼の口癖はこれだ。
毎年この時期になると、朝から寝るまで、何回も聞くこの言葉。家を出た瞬間、マフラーに顔をうずめながら隣でそう呟いた彼に、今日も通常運転だと安心しながら微笑む。
「もう2月だもんねー」
「早く暖かくなんねぇかなー」
「来週は雪マークだったよ」