四季の姫君

ガチャ、


「……、」


「……、」
少しだけ開けたドアから



顔を出したのは数日ぶりの


彼女で。


「いらっしゃい」


「…何してんの、」


いつもとは違う、いや、


こんな姿を見たのは初めてで。


綺麗に結い上げられたアップの髪型。


そこに付けられている髪飾りが顔を覗かせて彼女の後ろで揺れている。



確かめるように覗き込んでいる彼女は僕の姿を見て一言、そう言った。
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