先生との恋・番外編集・




どうしたらよくなるのか、それはこの病気のことをはっきり分かるようになってから、ずーっとずーっと何回も聞いていたから知っている。



それを、この人は私になんて説明するんだろう。

そんな意地悪な気持ちだけ。



ただ、それだけでなんとなくその質問を投げかけてみた。


聞いたあたしの目を見て聞いてた高橋のメガネの奥の眼がわずかに揺れた。


「岡本さんの心臓はー…、」

「それは知ってる。私の心臓のどこが悪いかは知ってる」



「はい、」


「治るか、治らないか。聞いてるの」



まっすぐ聞けば、

高橋はなんて答えようか考えているようで。



きっと、ハッキリ言うことがいいことなのか、それとも少しオブラートにこっちが手術を受ける気になるように説明した方がいいのか。



そんなとこだろう。


「手術をすれば、完全に普通の人、まではいかないかもしれないけれど、今みたいな命の危険はなくなると思います」



模範解答みたいな言葉。


でも、そうだろうね。



「そうだね」


「清水先生からは、手術は拒否…嫌だって言っていると聞いてます」




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