依存妻と狂愛する俺
「未雷く…も…だめ……休ませて…」
「ダーメ…
ほら、意識保って?」

何度も果てても、未雷は風愛の身体を貪り続けていた。

「止まんねぇ……風愛が好きすぎて……!」

風愛の意識が飛んで、風愛を抱き締め横になる。
ゆっくり風愛の頭を撫でている未雷の表情は、今までになく穏やかだった。


「風愛、いい子にしてろよ?」
仕事に出ていく未雷が、風愛の頬を包み込んで言い聞かせる。
「うん。食材とかも沢山あるみたいだし、今日は外出る必要ないからちゃんとお留守してる」

「ん。じゃあ…行ってくる」
「行ってらっしゃい!」
小さく手を振る風愛に、軽くキスをして出ていった。

ドアが閉まると、ガシャンと音がして鍵が閉まった。


「ほんとに、開けれないんだ…」
試しに窓を開けようとしてみるが、何処も本当に開かない。
窓は全てはめ殺しで、風愛は寒気がしていた。

(考えないようにしよう)
そう思うようにした、風愛だった。



一方の未雷━━━━━━━━━

(あー既に、風愛に会いたい…)

“こんな自分、重症な狂愛者だな”と、自嘲気味に笑う。

「何笑ってるんですか?」
突然話しかけられ振り向くと、花田がいた。

「は?」
「おはようございます、鷹司さん」
「おはよう」
いつのも作り物の笑顔で挨拶する、未雷。

(ほんと、ウゼー女。
せっかく、風愛を想って良い気分だったのに)
隣で一方的に話をしている花田を適当に受け流しながら、未雷は心の中で毒づいていた。

会社に着くまで、ひたすら花田は未雷に話しかけていた。
(ほんと、いい加減ウゼーな……)

「鷹司さん、聞いてますー?」
「うん、聞いてるよ。それは大変だったね」
「でしょ?鷹司さんが来てくれたら、飲み会も楽しいのになぁー」
「ごめんね」

「今日こそは来てくださいよぉー」

(消すか!!これ!)
未雷は花田に微笑みながら、どうやって消そうか考えをめぐらせていた。

会社の空き会議室で、未雷はスマホを眺めていた。
そこには、風愛が映っている。

「可愛いなぁ、風愛」

風愛にはカメラの映像は見ないと話しているが、やはり風愛を目の中に入れていないと、心も身体も不安定になる未雷。

未雷にとって風愛は、心の安定剤のようになっていた。


「あれ?誰に電話してる?」
風愛が誰かに電話をしていた。

「………って、察しはつくがな!」

ある人物に電話を入れる。

話し中━━━━━━━






「やっぱり1パーは、消さないとな……………!
…………………
……………この“俺が”!!!」


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