依存妻と狂愛する俺
「お願い!!雄飛くん、やめて!!」
個室内のガラス窓に押しつけられている、風愛。

「今だけでいい━━━━━」

「え……」
「今だけでいいから、俺を好きだった気持ち思い出して?」

雄飛に頬を包み込まれる、風愛。

雄飛の真っ直ぐで綺麗な瞳が、風愛を捉えて放さない。

未雷の顔が頭をよぎる。
でも、風愛の初恋は“雄飛”

その恋心が、蘇っていた。

「ふうちゃんのこと、俺も好きだよ」

「え……」
「俺はずっと、好きだった……!
ずっと……ふうちゃんだけを………叶わないってわかってるけど、好きで、好きで、好きで堪らないんだ」

雄飛の顔が近づく。

二人の口唇が重なった。

(何これ……ヤバい………離せねぇ…!!)

一度重なった口唇は、簡単には放せない。
雄飛は夢中で、風愛の口唇を貪っていた。

「んんっ!!雄…飛く……や…ぁ…」
「ご、ごめん!!」
必死で押し返す風愛に、慌てて雄飛は離れた。

「ううん。私、帰るね!
大丈夫。未雷くんに言わない。
というか……言えない」

個室を出ていこうとする、風愛。


【“最後に”風愛とデートさせてやるよ!】
風愛の後ろ姿を見て、未雷の電話での言葉を思い出した。


“最後に”という意味が、今、わかった気がした。



俺はきっと、ライに殺される━━━━━━

だったら………

「ふうちゃん!!!」
雄飛は風愛の手を掴み、レストランを出た。

風愛の手を引いて、近くのホテルに入った。


「ふうちゃん、抱かせて?」

「え━━━━━やめ……」
「俺のこと、嫌いになって構わない。
だから、抱きたい!!」

「無理だよ!!私は未雷くんの━━━━━ンンン…っ……!!」
「ライの名前言うなよ!!
俺の名前だけ、呼んで?」

風愛は必死に抵抗するが、雄飛の力に敵わない。

「お願い!!やめて!!
雄飛くんのこと、綺麗な想いのままでいたいの!!」

優しくて、穏やかで、仲間思いの雄飛。
こんな、乱暴なことはしない。
むしろ、それを止める役目だった。

「ふうちゃん…ふうちゃん……風愛…大好き…」

あっという間に服を脱がされ、身体を雄飛の口唇が落ち手が滑る。
「お願…やめ…て……こんなこと…やだよぉ…」


「風愛、可愛い。泣いてる顔も、そそる…!
風愛…今だけでいい……俺を受け入れてね……!」
「え………
━━━━━━━んんっ!!痛っ…!!!」

繋がって、雄飛は初めて狂喜に震えていた。

好きな人とのセックスは、こんなにも気持ちいいものなんだ、と━━━━━━━





あぁ……本当に、死んでもいい━━━━━━━


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