依存妻と狂愛する俺
極悪非道
「ほら、俺はここにいるから。
ゆっくり休んで?」
風愛をベッドに寝かせた未雷は、後ろから抱き締めて腹をさする。
「お風呂、入ってきたんだよね?」
「うん。暑くて、裸だったの」
「でも、寒いからちゃんと着なきゃだよ?」
「うん」
「もう、いなくならないよね?」
「うん、大丈夫。ごめんね!」
「ん。おやすみ…未雷くん」
そう言って、後ろから伸びている手を握った風愛。
すぐに安心したように、眠りについたのだった。
数十分後━━━━風愛の寝息が静かに聞こえているベッドルームに、未雷のスマホのバイブ音が響いた。
未雷は片手でスマホを掴み、操作する。
「ん」
『ライ、着きました。今、下にいます』
「ん。雄飛、薬持ち歩いてたよな?」
『え?ふうちゃんですか?』
「さすが、察しがいいな。
今日の風愛、不安定だから……途中で起きたら困る」
未雷は、学生の頃から色んな不良チームや暴走族を束ねるボス的な存在だった。仲間には“ライ”と呼ばれている。
それは今でも変わらず、色んなチームに崇拝されている。
「失礼します。薬です」
「ん。サンキュ。嗅がせてくる」
玄関先で、雄飛から受け取ったモノを持って行く未雷。
雄飛は無表情で、その後ろ姿を見つめていた。
未雷にタメ口が使えるのは、風愛だけ。
実は雄飛も、未雷や風愛の幼なじみだ。
大学は雄飛は行っていないので、幼稚園・小・中・高までだが、二人とはずっと一緒だった。
それなのに、未雷には敬語で接しなければならない。
会社では、未雷は猫をかぶっているのでタメ口を受け入れてるが、本当は心の中が煮えくり返っている。
それ程、未雷は他人を見下している━━━━━━━
マンションを下りると、車が止まっていて雄飛が後部座席をあけた。
未雷が乗り込む。
「ライ、お疲れ様です」
助手席に、レッド軍のリーダー・赤星 紘明が乗っていて挨拶してくる。
ちなみに、未雷より年上だ。
「ん。課長は飲み屋にいるはずだから」
「はい」
「あの無能、金曜は毎週飲んでんだよなぁー」
「そうなんですか?」
「うん、この俺を飲みに誘ってくんだよ。
行くわけねぇっつうの!!」
「ライを飲みに誘うなんて、いい身分ですね」
「だよな。風愛以外と関わりたくねぇのに、関わってくんだよ、会社の連中」
「風愛ちゃんも、言ってましたよ」
「は?」
「ライはモテるだろうから、心配だって」
「心配しなくても、俺は風愛だけしかいらないのに……」
未雷は窓の外を流れる景色を見ながら呟いた。
「そうですね。
ライは、本当に風愛ちゃんにしか……心も身体も開かない」
赤星の呟きが、車内に響いていた。
ゆっくり休んで?」
風愛をベッドに寝かせた未雷は、後ろから抱き締めて腹をさする。
「お風呂、入ってきたんだよね?」
「うん。暑くて、裸だったの」
「でも、寒いからちゃんと着なきゃだよ?」
「うん」
「もう、いなくならないよね?」
「うん、大丈夫。ごめんね!」
「ん。おやすみ…未雷くん」
そう言って、後ろから伸びている手を握った風愛。
すぐに安心したように、眠りについたのだった。
数十分後━━━━風愛の寝息が静かに聞こえているベッドルームに、未雷のスマホのバイブ音が響いた。
未雷は片手でスマホを掴み、操作する。
「ん」
『ライ、着きました。今、下にいます』
「ん。雄飛、薬持ち歩いてたよな?」
『え?ふうちゃんですか?』
「さすが、察しがいいな。
今日の風愛、不安定だから……途中で起きたら困る」
未雷は、学生の頃から色んな不良チームや暴走族を束ねるボス的な存在だった。仲間には“ライ”と呼ばれている。
それは今でも変わらず、色んなチームに崇拝されている。
「失礼します。薬です」
「ん。サンキュ。嗅がせてくる」
玄関先で、雄飛から受け取ったモノを持って行く未雷。
雄飛は無表情で、その後ろ姿を見つめていた。
未雷にタメ口が使えるのは、風愛だけ。
実は雄飛も、未雷や風愛の幼なじみだ。
大学は雄飛は行っていないので、幼稚園・小・中・高までだが、二人とはずっと一緒だった。
それなのに、未雷には敬語で接しなければならない。
会社では、未雷は猫をかぶっているのでタメ口を受け入れてるが、本当は心の中が煮えくり返っている。
それ程、未雷は他人を見下している━━━━━━━
マンションを下りると、車が止まっていて雄飛が後部座席をあけた。
未雷が乗り込む。
「ライ、お疲れ様です」
助手席に、レッド軍のリーダー・赤星 紘明が乗っていて挨拶してくる。
ちなみに、未雷より年上だ。
「ん。課長は飲み屋にいるはずだから」
「はい」
「あの無能、金曜は毎週飲んでんだよなぁー」
「そうなんですか?」
「うん、この俺を飲みに誘ってくんだよ。
行くわけねぇっつうの!!」
「ライを飲みに誘うなんて、いい身分ですね」
「だよな。風愛以外と関わりたくねぇのに、関わってくんだよ、会社の連中」
「風愛ちゃんも、言ってましたよ」
「は?」
「ライはモテるだろうから、心配だって」
「心配しなくても、俺は風愛だけしかいらないのに……」
未雷は窓の外を流れる景色を見ながら呟いた。
「そうですね。
ライは、本当に風愛ちゃんにしか……心も身体も開かない」
赤星の呟きが、車内に響いていた。