ともだち
こうして抱きついたり、同じベッドで寝たりするけど、私と優愛は"ともだち"だ。
「いってきます!」
『行ってらっしゃい、気をつけてね』
「ありがとう」
優愛に見送られながら玄関を出て、鍵をかける。
いつものルーティーンが、優愛によって彩られる感覚が好きだ。
今日は朝からずっと学校で、その後にバイトが入ってるから忙しくなりそう。
帰ったら優愛に沢山甘やかしてもらおう。
授業が終わり学校を出ると、優愛が待っていた。
「あれ?優愛?」
『顔見たくなったから、私もバイト先までついて行こうと思って』
「何それ」
彼女のこういう優しいところが好き。
でも、優しいだけじゃなく、時には私の事を怒ってくれるところも。
彼女以外にもそういう"ともだち"はいたけど、彼女と出会ってからは彼女以外見えなくなってしまった。
『ここから2駅だっけ?私も行く』
「優愛は今日何してたの?」
『散歩』
「犬じゃん」
『うるさい』