ともだち
途中、すれ違う女子高生が私たちを見てひそひそ話していた。
「なんか、こっち見られてたよね」
『そう?』
「優愛が可愛いって、噂してたのかもよ」
『だったら、私は嬉しい』
「...なんか腹立つ」
『あは、可愛い』
「ねえ、うるさい」
こうして、優愛と隣に並んで歩くと心が落ち着く。
彼女が私の心を癒してくれるみたいだ。
バイトが終わって帰る時も、彼女は外で待っていた。
「猫みたい」
『会いたかったくせに』
「数時間前まで一緒にいたけど?」
『...なんか、疲れてるでしょ?』
私の顔を見るなり、すぐに気づいてくれる。
私はそんな彼女を無視して、家の方まで歩き出す。