お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
「そんなにキツく目を閉じなくてもいいぞ…与奈」
「いいから早くしてください…瓜生さん」
「…そう迫るなよ…もしかして…与奈は俺にキスされるの待っていたのか?」
私が目を開けて反論しようとすれば、直ぐ近くに彼の顔が見えた。
誰の顔か分からないぐらい近かかった。
彼の息が頬にかかる。
瓜生さんは目を開いたままの私の唇を奪った。
強引に塞がれた唇。
彼は容赦なく舌を割り入れて私の舌を絡め取る。
初めてのキスにしては刺激的過ぎる。
キスの継ぎ間に漏れる自分のはしたない声に羞恥して、カラダに熱くなった。
互いの唾液が引き合い、唇が離れる。
言葉が出ない。
何も言えない私の反応を見て、彼の唇が不敵に歪む。
私は一番忘れてはいけないコトを忘れていた。
瓜生さんが意地悪だってコトを。
でも、キスの味は最後に食べた苺の甘酸っぱい味がした。強引だけど、甘く蕩けるキスだった。
彼は何も言わず、奥の部屋に引っ込んでしまった。