お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
ボスの手術は成功。

アメリカに発つ前に独身で天涯孤独だったボスと養子縁組をし、姓を久保から設楽に改姓していた。

私はボスの養子として事務所の責任者を引き継いだ。

「内海にこんな可愛い息子が居たとはな」

「設楽さんも順調に回復しているようね。安心ですね」

「あぁ」

彼女はシングルマザーで息子を育てていた。

「妊娠したなら、したでキチンと俺達に話してくれたら、配慮やサポートはしたぞ」

内海は唇を引き結んでしまった。

彼女の婚約者はボスが入院している「東亜医科大付属病院」の救命救急センター勤務の医師だった故・大崎聖(オオサキセイ)さん。

彼は東亜を休職して、「国境なき医師隊」に参加して、中東の国の紛争地域に医師として赴いた。
医師として紛争で傷ついた人達の治療を続けていたが、ゲリラ兵に射殺され、亡くなってしまった。
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