お見合いマリアージュ～敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活？？彼の愛は予想外でした（短編）～

＊＊＊＊＊＊＊

私と瓜生さんの結婚は順調に進んだ。
私達の新居は瓜生さんが今住んでいる銀座のタワーマンション。
部屋の間取りは二LDKの南西向き。

都心を一望でき、素敵な部屋だった。

「荷物はこれだけか？」
「はい」

「よし。おいっ、与奈、来てくれ」

「あ、はい」

私は彼に呼ばれるまま奥の部屋に行った。

「元々俺が寝ていたベットだ。まぁ―元々ダブルベットだし、与奈が寝るスペースは十分あるから、安心しろっ」

「安心しろって言われても、安心できません」

「俺は弁護士だぞ。信じろっ」

「ほら、玄関先の部屋はもう一つ」

「そこはゲストルームだ。つべこべ言わず、お前は俺と寝るんだ」

「離婚するまで本当に何もしません？」
私は疑いの目で見つめる。

「その疑いの目はなんだよ。俺はお前に全く信用されていないな」

瓜生さんはズレた眼鏡のブリッジを押し上げて参ったような顔になった。