お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
私が部屋で引っ越しの荷物を片付けている間、瓜生さんがキッチンに立った。

「おいっ、与奈」
瓜生さんが私の居る奥の部屋に入って来た。

「何?ぷっ、何ですか?瓜生さん、そのエプロンは…」

瓜生さんは可愛いらしい白のフリフリのエプロンを着けていた。

「葵がお前にとプレセントにくれたもんだ。服が汚れるから着けただけだ。おかしいか?」

「おかし過ぎますよ。ぷぷっ。あ、瓜生さん、写真撮ってもいいですか?」

私は手を止めて、スマートフォンをスワイプさせた。

「ダメだ!!撮るなっ!!」

瓜生さんは慌てて私のスマートフォンを取り上げた。

「どうして!?」

「俺のエプロン姿を撮って、皆に拡散させるつもりだろ?」

「いえ、私だけの楽しみに」

「お前だけの楽しみって…いや、ダメだ。どんな拍子に世に出るか分からない」

瓜生さんはエプロンを脱いだ。

「脱ぐんですか?」

「夕飯は出来たからな。ほら、お前もお腹空いただろ?食べるぞ」

< 35 / 66 >

この作品をシェア

pagetop