お見合いマリアージュ～敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活？？彼の愛は予想外でした（短編）～

ダイニングテーブルには二人では食べきれないほどのご馳走が並んでいた。

「瓜生さん一人で作ったんですか？」

「そうだ。俺一人で作ったと言っておこう」
彼は歯に着せぬ物言いで返す。

「ほら、座れっ。俺はワインセラーからワインを持ってくる」

「あ、はい」

私が先に椅子に腰を下ろして、瓜生さんを待った。

「待たせたな」

「いえ」

瓜生さんがワインの栓をワインオープナーが開けると芳香なワインの匂いが辺りに漂う。

「意外ですね。瓜生さんが料理上手だなんて」

「そうか」
瓜生さん、褒められても何だか嬉しそうに見えなかった。

「私がキッチンに立つ必要ないですね」

「それは困る。ネタバレするとこれは全部、コ〇トコで買って来たもんだ」

「えっ？」

「でも、このブイヤベースは火にかけて温めたし、パスタも茹でた」

「へぇーコ〇トコ料理か。でも、瓜生さんが一人でキッチンに立ち、料理した事には変わりありません。ありがとうございます。これから、よろしくお願いします」

「よろしく」

私達はグラスを重ねて仮初めの夫婦生活を開始した。