お見合いマリアージュ～敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活？？彼の愛は予想外でした（短編）～

「遅れて申し訳ありません…」

私が正座を崩し掛けていると襖を開けて見合い相手が入って来た。

「えっ！！？えぇ～っ！？鬼眼鏡！！？」

入って来たのは久保瓜生さん本人。

「鬼眼鏡とは失敬だな…日比谷与奈さん」

「貴方は設楽弁護士のご子息ではないでしょ！？」


「・・・設楽先生と養子縁組をしたんだ…今は設楽瓜生(ｼﾀﾗｳﾘｭｳ）…本日のお前のお見合い相手だ・・・」

彼は私の目の前に腰を下ろした。


「与奈ちゃん…ちゃんと見合い写真に見なかったの？」


「…本日の楽しみに取っておこうと思いまして…」

私は叔父さんから渡された写真も釣書も見なかった。

「楽しみに取っておくと言った割には…第一声が鬼眼鏡とはな・・・」