お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
二人は外で誰かと話をしていた。
「瓜生さん」

「この子がうり坊の嫁っ子かい?」

「うり坊は止めて下さい、林さん」
ウリ坊と呼ばれ、顔を真っ赤にして向きに怒る瓜生さんを見て、笑いを堪えるの必死だった。
「与奈お前、笑ってるだろ?」


「いえ、別に」
あ、ダメだ笑いが止まらないが、お義父さんに話し掛けられ、口許を手で隠した。

「与奈さん、紹介する近所に住む林さんだ。おすそ分けでトマトとシイタケを持って来てくれた」

「ありがとう御座います、林さん。私はウリ坊の妻の与奈です」

「与、与奈お前まで…俺をウリ坊と呼ぶのか?」

「可愛いじゃないですか。これからはウリ坊と呼びますね」

「与奈お前…」

瓜生さんのこめかみの血管は怒りで浮き出ていた。
「冗談です。冗談」

「東京じゃ有名な弁護士も嫁さんには形無しだな」

林さんはそう言って、帰って行った。


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