お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
「幸せそうに見えるか?」

「ん、あ」

葵さんに言われ、眉間にシワを作り怪訝そうにする瓜生さん。

「困ってるようにしか見えませんよ」

「困ってる?あ…色々と仕事で切羽詰まっているからな」
第一審で敗訴となった案件があり、その判決を不服として、第二審への控訴準備中の最中、瓜生さんは『ジュテーム東京』に来た。
控訴には二週間とういう時間制限があり、その間に第一審判決をじっくりと考え、検討して反論の文面を思案、新たな主張や証拠集めなどの準備に追われる。

「私一人でも大丈夫ですよ」

「準備は内海達にも手伝って貰っている。与奈一人には任せられない。俺とお前の大切な門出だぞ」

「でも、大事な裁判でしょ?」

百戦錬磨の瓜生さんが敗訴だなんて珍しい。
瓜生さんの口から裁判に負けたと訊いた時は嘘だと思った。





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