お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
葵さんが私達の挙式披露宴の担当者となる宮崎さんを呼んで来た。
葵さんは一番信頼を寄せる後輩のウエディングプランナーらしい。

日取り、出席者人数も、料理のコースなどスムーズに決まっていった。

後は当日の衣装決めだけ。

私達は衣装室に案内され、それぞれが着るウエディングドレスとタキシードを選んでいた。

その間、度々瓜生さんのスマートフォンに事務所から電話が入った。

彼の選んだウエディングドレスは絵本や映画の中の世界から出て来そうなお姫様ドレス。チュールレースを施したパフスリープにエプロンスカート、キラキラとしたビーズやスパンコールでドレス全体が飾られた可愛いタイプのドレス。
私に似合うかと思ったけど、いざ試着みれば、露出度も控えめで私自身も満足のいくドレスだった。
フワフワのボリュームのあるドレスを少し持ち上げ、試着室から出ると瓜生さんの姿はなかった。

「御主人は電話で席を外されました」
私達の衣装決めに付き添う伊藤さんが説明してくれた。

「そうですか」

「弁護士さんも色々と大変ですね」

第一審で敗訴した側にとって、第二審への控訴は難しい判断に迫られる事が多い。瓜生さん達も苦労しているよう。
「あ…すまない。与奈」

「いえ、別に」

「馬子にも衣装だな」

「素直に似合ってると言って下さい。瓜生さん」


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