お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
挙式を終え、瓜生さんもプライズルームで披露宴までの時間を過ごした。

「莉緒ちゃんと聖斗君の可愛かったな」

「あ、うん」

リングガールとリングボーイの莉緒ちゃんと聖斗君。
私達以上に仲睦まじい所を列席者に見せて、パパの宇佐美社長が娘を聖斗君に奪われたと嘆いていた。

「宇佐美社長は莉緒ちゃんを溺愛していますね」

「まぁな」

瓜生さんはソファ椅子に腰を下ろして、スマートフォンを弄っていた。

誓いの言葉も誓いのキスも卒なくこなし、後は披露宴を残すだけ。

「瓜生さん」
自分の心の中のモヤモヤしたキモチに耐えられなかった。良心の呵責だろう。
私の花嫁姿を見て、涙ぐむ叔母の涙に心が凄く痛んだ。
私は意を決して、彼に切り出した。

「この結婚に異議を申し立てます。神の御前で愛を誓い合いましたが、私達の間にはその愛がありません」

「愛はあるぞ。俺はお前を愛してる」

「えっ!!?」

瓜生さんの思わぬ告白に言葉を失う。
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