お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
彼はてっきり自分はフラれるんだと玉砕覚悟で、告白してきた模様。
逆の反応で返して私に安堵したのか、いつものいじわるな瓜生さんに戻っていく。

「何だ…そっか、与奈は俺の事がスキか。悩んで損した」

瓜生さんはスクウェア型の眼鏡を弄った。

「もっと意地悪な事するかもしれないが、覚悟はしとけよ」

「えっ!?嫌…それは、困ります」

「夫婦ごっこはお終いだ。俺の愛を受け止めろよ。与奈」

彼は意地悪な光を宿して、私の唇にキスを落とす。

誓いキスのようにほんの少しだけ唇が重なったロマンチックなキスじゃない。

カラダの芯から痺れるような濃密で甘いキスが角度を変えて落とされ、彼の湿った熱い舌が口内を隈なく這い回った。

「んっ、あ」

キスの継ぎ間に漏れる私の甘い声。
強烈な恥ずかしさを感じて、全身が羞恥で熱を帯びていった。
唇を離した刹那には互いの唾液が引き合った。

「瓜生さん、極端過ぎます」

「今更、後悔しても遅いぞ。与奈。今のお前は最高にキレイだ」



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