お見合いマリアージュ~敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活??彼の愛は予想外でした(短編)~
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「式の時は緊張していたのか、よそよそしかったが、今はラブラブだな。瓜生さん、与奈さん」

宇佐美社長がスパークリングワインを片手に高砂席に遊びに来た。

「想いが通じ合ったからな」

「!?」

彼は首を傾げ、キョトンとした目で瓜生さんを見つめる。

「こちらの話だ。気にしなくていいぞ」

「別に気にしてねぇよ。それよりも俺が一番気になるのは聖斗君だ」

「聖斗君か」

「聖斗君のパパって誰だ?」

「俺が知りたいよ。内海は何も教えてくれない」

「えっ?でも、内海さんには確か医者の恋人が」



「何処の医者だ?」

「『東亜医科大付属病院』の名前は確か大崎先生です」

「何だ?与奈は知らないのか?内海の恋人だった大崎先生は亡くなったんだ」

「そっか、余計な事訊いてしまったな。訊かなかった事にするぜ」

「俺の知らない間に、瓜生もすっかり宇佐美社長と仲良しだな」

「葵の旦那だし、彼の会社の顧問弁護士してるからな。ビジネスライクで仲良くしているだけだ」

従兄の凜太朗さんまで遊びに来た。

瓜生さんの従兄・水瀬凜太朗さんは大手航空会社『ジャパンエアホース』のパイロット。

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