お見合いマリアージュ～敏腕弁護士との仮初めの夫婦生活？？彼の愛は予想外でした（短編）～

「最初に言う…この見合いを断れない…日比谷」

「えっ！？」

「そんな…色気のない男女の私ですよ…断って下さいよ…瓜生さん」

「・・・設楽先生は亡きお前の父から娘に良き伴侶を見つけて欲しいと頼まれていたらしい」

「そのような話…私…父から一度も訊いてませんよ…」

「…そうか…」

「…私だって貴方と結婚出来ません…」

私は強く返す。

「…俺だって…断りたいのは山々だが…今…設楽先生は脳溢血で倒れ、退院したばかり…余計な心配を掛けさせたくない…きっと…俺をお前の相手に選んだのは何かの間違えだ。生死を彷徨い…切羽詰まったから…俺をお前の相手に選んだ…」

そこまで否定してなくても…
彼は確かに鬼眼鏡だったけど、仕事に対する姿勢は見習うべき所は沢山あった。法廷に立つ彼の姿がとても格好良かった。あの時の私は彼に恋をしていたかもしれない。

「・・・」

「俺は弁護士だ…法曹界の仕事をしている以上…人を欺く事はしたくない・・・結婚はするが…時期を見て離婚する…」

「！！？」

「…俺達の結婚は仮初の夫婦生活だ…日比谷」


まぁ―彼と結婚しておけば、叔父さん達の見合い攻撃も回避できる。私の夫が瓜生さんなのが腑に落ちないけど。
仮初めなら我慢できる。